カナダを拠点とするAI企業Anthropicは、同社が開発したAIアシスタント「Claude」が、NIST楕円曲線デジタル署名アルゴリズムの乱数生成器に関する長年の謎を解明したことを明らかにしました。これは暗号学の領域でこれまで25年間解決されなかった課題です。 Claudeは、NIST ECDSA曲線のシード値が1990年代の乱数生成器(RNG)に由来することを突き止めました。この発見までに要した時間はわずか30分。複雑な暗号学的な背景知識と分析能力を必要とするこの問題を、AIが人間の研究者よりも迅速に解決したことで、AI技術が科学や技術分野の課題解決にもたらす可能性が改めて示されました。 この事例は、AIが単なるタスク自動化ツールではなく、専門分野における創造的な問題解決の補助手段となりうることを示唆しています。暗号学のような高度な専門領域でも、AIが有用な洞察を生み出すことができるという点は、研究開発の加速化につながる可能性があります。一方で、暗号化技術の脆弱性分析に関する知見がAIによって容易に引き出される点については、セキュリティ業界でも議論の対象となるかもしれません。